サイト内の1つの広告枠において複数の広告事業者のタグを並走配信し、各事業者の配信比率を都度調整しているメディアも多いかと思います。
このような運用を行っているメディアでは、事業者のパフォーマンス比較を行う際に「各事業者の管理画面CPM」を確認し、CPMの高い事業者の配信比率を上げる調整をされているケースも多いのではないでしょうか?実はその運用方法は、サイトの収益最大化に繋がらない可能性が高いです。
本記事では、管理画面CPMをもとに比率調整を実施することの落とし穴に触れつつ、より収益最大化が期待できる最適な比率調整方法をご紹介します!
早速、結論からお伝えします。同一広告枠において複数事業者の比率配信を行う場合は、「配信比率1%あたりの収益額」を基準に各社のパフォーマンス比較をし、比率調整を行うことで、収益最大化に繋がります!
では、なぜ「配信比率1%あたりの収益額」を基準に比率を調整すべきか、実際にあるメディアで発生していた事例をもとにご説明します。
あるメディアでは、1つの広告枠に対してA事業者・B事業者の2つの広告タグを比率配信しており、各事業者の管理画面CPMを基準にパフォーマンスを比較し、配信比率の調整を行っていました。
上記の場合、B事業者よりもA事業者の方が収益性が高そうに見えるため、A事業者の配信比率をさらに増やしたくなるところです。
ただ、CPMはあくまでも「広告が1,000回表示された場合の収益額」を示す指標のため、実際に広告が表示されなければ意味がありません。つまり、管理画面CPMだけで判断せず、実際に広告が表示された回数も踏まえた評価が必要です。そこで、このメディアで調査を行ったところ、各事業者間で下記2つの数値にかなりのズレが生じていることが判明しました。
アドサーバーを利用していたり、広告枠の中でウォーターフォール構造を組んでいたりする場合、少なからずimpの欠損が発生してしまいます。このメディアの場合は、同一のアドサーバー配下で2事業者の広告タグを配信していたにもかかわらず、各事業者間で受け取れているimpに10%程度の違いがありました。
①に加えて、各事業者が受け取ったリクエストのうち、実際に広告が表示された割合にも各事業者間で15%程度の違いがあることが判明しました。
以上をまとめると、比率60%で配信していたA事業者の実際のデイリーimpは408,000、比率40%で配信していたB事業者の実際のデイリーimpは361,000となり、収益として得られる額は以下になります。
配信比率1%あたりの収益額を算出すると下記となります。
管理画面CPMではA事業者の方が10円高く見えていましたが、実際「配信比率1%あたりの収益額」はB事業者の方が高く、B事業者に比率を寄せることで収益が最大化できます。
今回ご紹介したケースでは、メディア側が各事業者に送っているリクエスト数を把握できていましたが、広告タグの設置方法や使用しているアドサーバーの仕様によっては、各事業者に送られたリクエスト数を正確に取得できないケースもあります。
このような場合、各事業者に対してどの程度インプレッションが欠損しているのかを正確に把握することができません。だからこそ、「配信比率に対してどれだけ収益が出たか」という1%あたりの収益額で比較することが、最も公平な判断軸となります!
広告枠の比率調整では、管理画面CPMだけを見て判断すると誤った結論に陥りがちです。特にimpの欠損が多く、管理画面impが少ない事業者はその分管理画面CPMが高く見えやすいため、1%あたりの実収益額を基準に調整することが重要です。
「なんとなく高CPM事業者に比率を振ってたかも?」という方は、ぜひ収益額をベースにした調整を実施してみてください。
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